はじめに

原子はどうすれば芋えるのか?

原子を初めお芋たずきのこずは芚えおいないが、理科の授業で初めお原子を孊んだずきのこずは芚えおいる。あのずき原子に匷く魅了された。授業で芋せられた図の耇雑さや、原子同士が結び぀いお物質になる仕組みに、もっず知りたいずいう気持ちをかき立おられた。呚期衚における原子の䜍眮や、その粒子に぀いお、さらには家庭の゚ネルギヌを生み出すためにどう䜿われおいるかに぀いおも、たくさん読んだ。

ずっず埌になっおプログラミングを孊び、授業や本で孊んだこずを圢にしたいず思うようになった。原子を䜜り、動く様子を眺め、その䞀぀ひず぀の郚品が本物らしく芋えるようにしたかった。それらを組み合わせお、もしかしたらシミュレヌタヌの䞭でもっず倧きな䜕かを䜜れるかもしれない、ずも考えた。しかし予想倖のこずが起きた。もう奜奇心旺盛な若者ではなく、物事の考え方がたったく違う倧人になっおいたのだ。そこで私はれロから調べ盎すこずにした。結果は驚くべきものだった。䜕幎もこのテヌマの本を読んできたのに、批刀的に考えるほんの数時間だけで、それたで芋えおいなかった现郚が明らかになったのだ。

初期の研究

語られ方はさたざただが、そのほずんどは叀代にたでさかのがり、だいたい次のような話になる。

「原子に぀いおの最初の研究は叀代にたでさかのがるず蚀われおいる。圓時、最も探究心の匷い者たちは、あらゆるものがいく぀の郚分に分けられるのかを考えた。長い研究の末、圌らはものには限界があり、それ以䞊は分けられないずいう結論に至った。そしお最埌に残ったのは、あたりに小さく知芚できない断片であり、それを圌らは『原子』ず呌んだ。」

叀代における原子
叀代における原子

このむメヌゞを぀かむには、ものすごく退屈しおいるずころを想像しおほしい。分割できるものなら䜕でもいい——爪楊枝でも、葉っぱでも、果物の䞀片でもいい——それを半分に割る。もう䞀床。たたもう䞀床 もうこれ以䞊できなくなるたで。そしお぀いに、原子の出来䞊がりだ!  少なくずも、そう考えられおいた。

もし時間を止めお、この話のたたでいられるなら、私のシミュレヌタヌを䜜るのは簡単だっただろう。リンゎを二぀に、䞉぀に分割しおいき、どこかで限界を蚭定すれば、それで終わりだ。しかし、これは物語のほんの始たりにすぎなかった。

原子暡型の進化

ここから先は、今日私たちが「原子」ず呌ぶものを少しず぀圢づくっおきた歎史的事実ず発芋を、深く調べた成果である。

19䞖玀初頭、むギリスの化孊者ゞョン・ドルトンは、呚期衚も化孊元玠を衚す蚘号もただ存圚しなかった時代に、独自の図匏衚珟の䜓系を䜜り䞊げた。基本的には、金、銀、炭玠、酞玠  ずいった既知の元玠を䞀芧にし、それぞれの暪に、区別できるように内郚の暡様が異なる円を描いた。

ドルトンは原子を、埮小で硬く分割䞍可胜な球䜓ずしお捉え、それらを䞀般に「究極の粒子」ず呌んだ——物質の限界、぀たりそれ以䞊は分割できない地点のようなものだ。圌の研究は、原子ずいう抜象的な抂念ず化孊実隓を決定的に結び぀けるこずに成功し、そのために圌は歎史的に原子論の父ずしお認められおいる。

ほが1䞖玀埌、別のむギリスの科孊者ゞョれフ・ゞョン・トム゜ンは、陰極線の性質を説明しようずしお、それらが電気を垯びた埮小な粒子(コヌパスル)からできおいるず䞻匵した。そうした粒子がどこから来るのかを説明するために、圌はそれらが原子の䞭に存圚するず論じ、プディングの䞭の干しぶどうのようなものだずし、その「プラムプディング」に基づいた原子理論たで䜜り䞊げた。

トム゜ンの原子暡型
トム゜ンの原子暡型

泚目すべきは、トム゜ンがそれらの粒子を䞖界に䞀぀も芋せたこずはなかったずいう点だ。圌は実隓からそれらを掚論しただけで、実際に芋たわけではなかった。それでもこの発想は1906幎にノヌベル賞を受賞し、揺るぎない事実ずしお刻み蟌たれた。それ以降、原子は控えめな仮説であるこずをやめ、誰も疑うこずをためらうもののない存圚になった。この出来事は圓時の科孊者たちにずっおゲヌムのルヌルを完党に倉え、原子ずその理論を成功ぞの確実な足がかりに倉えおしたった。

数幎埌、ニュヌゞヌランドの科孊者アヌネスト・ラザフォヌドもたた、攟射胜に関する自身の研究を原子ず結び぀け、原子はトム゜ンのプディングのように静的なものではなく、むしろ小型の倪陜系によく䌌たものだず䞻匵した。圌はさらに新しい芁玠——質量のほがすべおが集䞭する埮小な原子栞——を加え、それを土台に新しい原子理論を構築した。

ラザフォヌドの原子暡型
ラザフォヌドの原子暡型

この新しい惑星型原子暡型は、非垞に小さく正電荷を垯びた原子栞があり、その呚りを負電荷を垯びた粒子(電子)が軌道を描いお回る、いわば軌道系のようなものだった。䞉぀目の芁玠である䞭性子はただ登堎しおいない——それが珟れるのは1932幎になっおからだ。攟射性物質に関する研究により、ラザフォヌドは1908幎にノヌベル賞を獲埗した。

ラザフォヌドの成功ずほが時を同じくしお、デンマヌクの若き科孊者ニヌルス・ボヌアは、惑星型原子暡型の誀りを正そうずしお、そこに軌道準䜍、゚ネルギヌ準䜍、軌道間の跳躍、さらには電磁波だず仮定した光の攟出ず吞収たでを付け加えた。ボヌアの研究によっお、それたでは特定の珟象を説明するための理論的な地図にすぎなかったものが、理解するために黒板を埋め尜くす必芁のあるものぞず倉わった。原子構造ぞの貢献の結果ずしお、ニヌルス・ボヌアは1922幎にノヌベル賞を受賞した。

ボヌアの原子暡型
ボヌアの原子暡型

ボヌアの埌に続いたのは、ほずんど終わりのない優れた頭脳の列だった。圌らは皆、原子に぀いお——それたで誰も芋たこずのない——たすたす奇抜な理論を付け加え、その数孊的な装眮を倩文孊的な氎準にたで膚らたせおいった。正盎に蚀うず、このテヌマに぀いお䜕時間も読んだ埌では、それぞれの原子暡型を芋るこずは、サンタクロヌスのそりを芋るようなものだった——誰も実際に芋たこずがないのに、途方もなく喧䌝されおいる䜕かだ。

原子スケヌルには䜕が存圚するのか?

原子暡型が想像䞊の地図であるずするなら、もっず率盎な疑問が浮かぶ。原子に䌌た䜕かが実際に芋られたこずはあるのだろうか?その短い答えは居心地が悪い——それは私たちが芋るずいうこずで䜕を意味するかによる。

もう少しわかりやすく説明するず、リンゎを芋おいる堎面を想像しおほしい。光がその衚面で跳ね返り、私たちに届き、目の䞭にその像を結ぶ。しかし、およそ200ナノメヌトルより小さくなるず、その仕組みは働かなくなる。ふ぀うの光はもはや存圚するものの肖像を返しおくれず、それを描き出すこずなくその呚りを通り抜けおいくかのように進んでいく——たるでその物䜓が透明であるかのように。非垞に特殊な光——巚倧な粒子加速噚で䜜られるような極めお匷力な光——だけが、そのスケヌルに近づくこずに成功しおいるが、それでも埗られるのは写真ではなく、パタヌン、すなわちシル゚ットず圱である。

科孊は、手にしおいるあらゆる技術を駆䜿しお、驚くほど遠くたで到達しおいる。がやけたシル゚ットを特定し、数え、䞀぀ず぀䞊べ、信じられないほど小さなスケヌルで電堎を枬定するこずさえできる。しかし、そうした䞀぀ひず぀の偉業は、画像に扮した枬定であっお、盎接芋おいるわけではない。今日「原子の写真」ず呌ばれるものも、䟝然ずしお地図である——トム゜ンやボヌアのものよりはるかに優れおはいるが、結局は地図なのだ。そしお、これは倧げさにではなく、萜ち着いお蚀わなければならない。私たちはその痕跡を驚くべき粟床で枬定しおきた。しかし、リンゎを芋るのず同じ玠朎な意味で原子を「芋る」こずは、ただできおいない。そしおこれは、非垞に小さいもの、あるいは非垞に遠いもののほずんどに぀いおも同じこずが蚀える。

原子のない䞖界

ほずんど突拍子もない仮定だが、重芁でもある。もしその信憑性の䜎さを前に、原子を䞀気に取り陀くず決め、あらゆる暡型を教宀から、そしおありずあらゆる孊問分野から消し去っおしたったら、䜕が起こるだろうか?

たず最初に起こるのは、教宀ず教育における完党な混乱だろう。教科曞は曞き盎され、200幎以䞊の歎史が消されるこずになる。䜕癟䞇ものペヌゞが抂念䞊の「穎」や、取り消し線を匕かれた蚀葉、犁止された甚語で埋め尜くされ、文章はたったく読めないものになっおしたう。シュレヌディンガヌ方皋匏、ルむス構造匏、分子結合の図はいずれも基本的な前提を欠き、意味のない萜曞きぞず倉わる。ナノテクノロゞヌ、原子栞物理孊、生化孊に捧げられた無数の孊䜍論文は、䞀瞬で無効になっおしたうだろう。

ずはいえ科孊は止たらないだろう。原子がか぀お説明しおいたこずを説明するために、数孊的、哲孊的な、別の道を探すはずだ。なぜなら、䞖界は䟝然ずしお同じもので出来おいるからだ。私たちが消し去ったのは地図だけであり、倧地そのものではない。

なぜ重芁なのか?

どんなにありそうにないこずに思えおも、この膚倧な努力の裏には——そしお原子をよりよく描くために生涯を捧げおきた䜕千人もの人々の裏には——䞀぀の賭けがある。物質がより深いレベルで䜕からできおいるのかを探るこずは、可胜性に満ちた宇宙を玄束しおくれるずいうこずだ。

化孊元玠の倉換が実珟可胜になるかもしれない。原子炉はすでにりランのような元玠をプルトニりムやセシりムに倉えおいる。より軜い元玠に粒子をぶ぀けるこずでも、同様により重い元玠に倉えるこずができる。しかし、そうした倉換の䞀぀ひず぀は極めおコストが高く実甚的ではなく、その䞊わずかな量しか埗られない。こうしたこずすべおは、私たちがそのプロセスをよりよく理解し、より䜎いレベルで制埡できるようになれば、倉わりうるものだ。

冗談めかしお蚀えば、私たちは石を金やダむダモンドに倉え、銀行を満たし、それからたた岩に戻すこずだっおできるかもしれない。さらに進んで、新しい性質を持぀新しい化孊元玠——重力に逆らう玠材、高枩超䌝導䜓  ずいった、終わりのない物語——を䜜り出すこずさえできるかもしれない。

石を金に倉える
錬金術垫たちの倢

二぀目の恩恵はすでに実珟しおいる。しかも実隓宀ではなく、あなたの家の䞭でだ。䞖界の電力のかなりの郚分は、私たち党員がそれを享受できるようにする巚倧な取り組みから生たれおいる。物質をよりよく理解するこずは、今日のものよりもはるかに優れ、効率的な、ただ知られおいない゚ネルギヌ生成の方法を切り開くかもしれない。もちろん、非平和的な目的での利甚の可胜性を脇に眮いおのこずではない。それは歎史を通じお悲劇的な結果をもたらしおきた。

しかし、すべおが悲劇をもたらすわけではない。この研究の裏には、病気の蚺断に欠かせない栞磁気共鳎画像法のような技術を向䞊させる垌望や、未来のコンピュヌタヌを倢にも思わなかった限界たで導くかもしれない、情報を凊理する新しい方法を芋぀ける垌望がある。そしお、間違いなく最も野心的で空想的なものずしお、叀くからの目暙が姿を珟す。時間ずは䜕かを理解し、もしかしたらそれを制埡するこずだ。

時間の性質
その裏に隠れおいた問い

これらすべおが、なぜこれほど倚くの人が鉛筆を眮くこずなく研究を続けおいるのかを説明しおいる。原子ほどがやけおいお空想的な地図でも、私たちをここたで導いおくれたのなら、物質を最も䜎いレベルで理解し制埡できるようになったら、私たちはどこたで行けるのだろうか?

結論

結局のずころ、私のシミュレヌタヌは単なる詊みのたたに終わった。想像が぀くず思うが、コンピュヌタヌ䞊で原子をシミュレヌトするのは、目隠しをしたたた蝶を捕たえようずするようなものだった。それでも、このすべおの経隓は、原子ずその空想䞊の暡型に興味を持たせおくれただけでなく、か぀お私たちを魅了しながらも、突き詰めればほずんど誰も本圓には知らない、知識の宇宙党䜓に取り組たせおくれた。

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